筆者の履歴と職場の人間関係



筆者はいわゆる信販会社(クレジット会社)に30年近く勤務していて、いろいろな部署に配属されました。
営業はもちろん、督促業務や事務・総務関係の仕事、地方の営業所での勤務、住宅ローンの取扱まで信販会社に存在する部署のほとんどで仕事をした経験を持っています。
その経験をもとにして、このブログでは職場の人間関係について考えてみるヒントを提供しています。
 

職場以外の人間関係


人間関係というのは集団で生活する人間にとってはどこで生活するにしても必ず発生することで、この関係をうまく保つことが平穏に生活するには欠かせません。
もし人間関係無しで生活するとすれば、仙人のように山にこもるしかないでしょう。
現実的には生きている限り人間関係を避けて通ることは難しいのです。
特に職場での人間関係は、他の場所よりも複雑な人間関係になりやすいと言えるでしょう。
家庭は集団生活をする上での最小単位で、もっとも身近な人間関係と言えますが、基本的に血の繋がりや長い間同居しているという関係です。
そのため人間関係としてはもっとも深い関係にあり、お互いに理解し合う関係と言えるでしょう。
もっとも家族関係も現代社会では堅実な関係とは言い難くなってきていますが・・・。
しかし、それでも家族関係以上に密接な人間関係はありません。
クレジット会社でセキュリティ担当をしていたときのエピソードをお話しましょう。
当時自社ATMを設置していたため、防犯カメラの映像を一定期間保存していましたが、お客さんの要望があればその映像を公開していました。
ある日キャッシングをした覚えがないのに請求が来たという女性のカード会員が訪れたので、キャッシングをした時間の映像を見てもらったことがあります。
映像を見た途端、女性は「お父さん・・・」と言って絶句していましたが、配偶者が勝手にカードを使ってキャッシングしていたようです。
その後キャッシングの返済が延滞することはなかったので、家庭内で解決したようでした。
もちろん同じ家族でも揉めることはありますが、第三者にカードを勝手に使われたときに比べると、家族の問題は比較的穏便に済ますという方向になります。
人間関係としてはもっとも信頼しあっている関係と言えます。
また、近隣関係も家族ほどではありませんが、同じ地域に居住しているという点で共通点も多く、比較的密接な関係にあります。
ただし法律で近隣関係に関する法律が規定されていることからもわかるように、近隣関係ほどこじれると厄介だという点は否定できません。
筆者の親戚も隣の家との土地の境界線で何十年も揉めていて裁判ざたになったこともあります。
しかし、家族関係や近隣関係以上に複雑でこじれやすい人間関係が存在するのは職場といえるでしょう。
それでは、なぜ職場の人間関係が複雑で難しいのでしょうか?
 

職場の人間関係と近隣関係の違い


職場にはいろいろな人間が集まっています。
この点では近隣の住民と同じですね。
特に集合住宅と言った賃貸物件では年齢性別はもちろん、様々な考え方をした人間が周囲にいます。
しかし職場と近隣の人間関係では根本的に違う点があります。
それは近隣では無理して密接な人間関係を築かなくてもいいという点です。
もちろん挨拶などのに事情的な関係は必要ですが、それ以上に深い関係を気づく必要はありません。
これに対して職場での人間関係は同じ場所で会社のために働くので、嫌な人とでもある程度の距離まで近づいて会話をしたり一緒に作業したりということをしなくてはいけません。
しかもある程度信頼関係になければ、仕事がうまくいかないということもあります。
職場には自分とは全く違う考えや行動をする人もいます。
たとえば筆者が勤務していた会社の後輩に常識では考えられない行動を取る後輩がいました。
彼は車で通勤していましたが、ある朝出勤しようとしたときにキーをしたままロックしたことに気づきました。
車以外の手段で通勤したり、JAFを呼んだりするのが普通ですが、彼が選んだ手段は車のウィンドウを素手で破壊するという方法でした。
結局破壊できなかったのか、破壊したのか記憶は定かではありませんが、焦っていたとは言え非常識な行動に出る人は存在します。
これは職場でのエピソードではありませんが、職場でも彼は他の人とは違う行動を取ることが多かったのです。
さらに職場には近隣関係にはない決定的な違いがあります。
それは上司と部下の関係です。
 

職場の上下関係


封建時代ならともかく、現代の日本では上下関係というのは一般的に存在しませんが、会社組織の中、つまり職場では上下関係が存在しています。
ただし身分の違いによる上下関係ではなく、会社内だけの上司と部下という関係における上下関係です。
限定された上下関係とは言え、近隣関係にはない特殊な関係と言えます。
また、この上司と部下という関係は職場に限定されていますが、実際にはプライベートにも大きく影響する場合もあります。
特に人事権を持っている上司に対しては、プライベートでも命令に従わないといけないというブラックな会社組織もあるかもしれません。
筆者が勤務していたクレジット会社には親会社があり、社長を始めとした役員は親会社から出向していました。
定期的に役員は入れ替わりましたが、中には公私混同をする社長もいてプライベートで迷惑することもありました。
ある社長などは正月に社員を自宅に呼んで宴会をするのを恒例にしていました。
小学生の子供もいるので社員はお年玉を持っていく必要があり、強制ではないにしてもかなり迷惑をした記憶があります。
出席しなければ後でネチネチと嫌味を言われるからです。
また、定期的に本社の監査部の監査を受けていましたが、その監査役がひどいセクハラをしていたということもありました。
気に入った女性を屋上に連れ出し個人的に写真を撮ったり、飲み会で女性にブーツを履かせて見たりと、今であれば完全に訴えられることを平気でしていた監査役もいました。
本社に所属しているということで関連会社の社員に対しては上から目線という役員が多かったのです。
これは会社の上下関係を大きく誤解している実例と言えるでしょう。

職場の部署による違い


職場では上下関係がプライベートにはない特殊な関係を作り出していますが、会社内では上下関係だけでなく部署と部署の関係というものも存在しています。
たとえば営業部門は顧客や取引先といった社外との関係が大きいため、対外的な関係を優先させる傾向にあります。
一方で事務・総務・経理といった部署は社員を相手にするため、社外の事情よりも会社の利益を優先するという特徴を持っています。
そのため特に営業部署とそれ以外の部署では、考え方が違うために利害がぶつかりあう場面もあります。
クレジット会社にはエンドユーザーの他に加盟店と呼ばれる取引先が存在します。
加盟店はひとつのクレジット会社だけでなく複数のクレジット会社と契約をするのが一般的なので、どこのクレジット会社を利用するかは加盟店しだいとなります。
そのため、営業担当者は自社のクレジットを利用してもらうために、加盟店の条件を良くして会社の利益を下げるダンピングを行うことがあります。
しかし経理担当者は会社の利益を下げることは認めたくないため、営業担当とは同じ会社でありながらぶつかることもしばしばありました。
どちらも方法は違いますが会社のために考えているという点では同じですが、お互いのことが理解できないという関係です。
立場が違うというだけでお互いに理解できずに人間関係もうまくいかないこともあります。
しかし、営業部門にいた社員がもし経理に配属になれば、今まで理解できなかったことがわかるようになることもあります。
適材適所も大切ですが、いろいろな部署を経験させるということも職場の人間関係を円滑にするためには必要なことです。
 

職場の人間関係は複雑


このように職場には上下関係の他に部署間の関係もあり、近隣との人間関係に比べて複雑です。
さらに同じ会社に勤めていても性別や年齢が違うのはもちろんですが、性格や考え方、入社した理由もそれぞれに違います。
最近では外国人を雇う会社も増えているので、ますます人間関係は複雑になっています。
同じ職場ではウマが合わない人や嫌いな人、苦手な人がいても全く避けるというわけにはいきません。
ご近所づきあいであれば、ある程度避けることはできても職場ではそうはいかないのです。
しかも職場での人間関係を難しくしている要素はもうひとつあります。
それは昇格や昇給の制度です。
同じ時期に入社してもみんなが同じスピードで出世するとは限りません。
当然出世のスピードにはばらつきがあるので、同期入社でも年収の経過によって給与にも違いが出てきます。
それが原因で妬みや嫉みが生まれてきて、知らないところで恨みを買ってしまうということもあります。
それでは職場で人間関係をうまくやっていくにはどうしたらいいのでしょうか?

職場の人間関係の基本は付かず離れず


人間は自分と同じ考え方や嗜好が一緒の人たちとグループを作りたがる生き物です。
職場でも派閥を作って派閥の長を出世させて、自分たちの将来を安泰にしようという思惑で派閥というグループを作ります。
しかし、目的は同じでもグループ内の人間がすべて同じ考え方をするとは限りません。
人間関係を重視するのであれば、特定のグループに属するのではなく、中立の立場でなるべく多くの人と等距離で接することをおすすめします。
また、人にはそれぞれ個性があり、ひとりひとりが違う考え方をしています。
どこにでも周りの人たちとは違う人がいますが、そうした特殊な人を職場では避けることができません。
そのため、特殊な人に対しては、その特徴を的確に判断して特徴に合った対処をしていく必要があります。
このブログではそうしたニーズに合わせて、さまざまな人の特徴や対処法を提供しています。
 

一番知らなければいけないのは自分


このブログでは職場にいるいろいろな人の特徴や対処方法を紹介しているので、実際に接するときの参考にしてもらえると幸いです。
しかし、このブログの使い方はそれだけではありません。
このおブログを読むことで自分がどのタイプに当てはまるのかを知るためにも役立つでしょう。
職場にいる人への対処方法を覚える前に、自分がどんな性格をしているかを見極めることも大切です。
つまり一度客観的に自分を見直してみるということです。
人間は自分のことを客観的に見る機会は余りありません。
そのため自分で自分について考えていることと、他人が見た自分というのは必ずしも同じではないのです。
もしかすると自分が嫌いだと思っていたタイプと、同じ性格をしている似たもの同士なので嫌っていたという可能性もあります。
また、自分の性格がはっきりすれば、どんな人には対処できてどんな人には対処が難しいのかもわかります。
うまく対処できない人とはなるべく避けるようにするというのも対処法のひとつなのです。
そうでなくても一度自分を客観的に見つめてみるということは意味があることです。
 

最後に


職場はいろいろな特徴を持った人の集合体です。
自分はこう考えるから他の人も同じように考えるだろうという先入観を捨てて、客観的に相手の性格や特徴を見極めましょう。
このブログが職場での人間関係の改善に役立てたら幸いです。